1ターンで発展カードが3枚引けるような人生

静大情報学部LT大会&勉強会(Doorkeeper)
https://shizunilt.doorkeeper.jp/

静大情報LTの運営をしているすねおです。先日3時間弱6月までの反省会を開いていました。今回は2回の開催を踏まえて、イベントに必要な作業を「当日までにやること」「当日やること」「当日後にやること」に大別したツリー形式の文書を作っておいて、そこに反省を書き加えていく形式をとったのですが、これは情報整理と時間短縮の面で正解だったと思っています。それ以前の反省では、各自が散発的に書いた反省をより合わせたものを使っていて、不便だったんです。

こうしたものを事前に想定して用意することって、場慣れしている人ならある程度できそうですけど、通常は難しそうですよね。特に何万人規模のイベントなんかだと、とてもではありませんが大変な思いをしそうです。LT大会みたいに小規模で試験的かつ恒常的にやることが可能なイベントなら、最初の数回は様子見をしつつ、段々と企画内容や振り返り内容の精緻化/体系化するといったことが非常にしやすいです。ただそれでも3時間掛かってしまったので、今後も会議をコンパクトにしていく為の会議プロセスの形式化を継続することは重要でしょう。

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ここで思い出すのはカタンですね。カタンは言ってみれば資源の生産効率と消費効率を早めるゲームですね。開拓地と街をじゃんじゃん置けば手札は増えやすくなりますし、港を確保すればじゃんじゃん手札は捌けやすくなります。言い換えれば、勝利までの時間を街/港といった形式の適用によって圧縮している、ということが言えそうです。

とはいえ現実をカタンのように単純に形式化するのは困難で、形式化する時点でつまづきやすいのもまた事実です。現在では予定帳や予定アプリ、タスク管理ツールなどが非常に豊かですが、それらの形式化が自分にとって最適な形式化とは限らず、人間の方が形式に合わせるという逆立ちが起こる場合もありえます。すると、理想的な形式化とは自分向けに固有化する余地のある形式化であると言えます。

つまり、万人にフィットする完全体としての形式化など有り得ず、もしブレイクしている形式化ツールがあるのだとすれば、個々人が自分向けに最適化する余地を残しているからこそ受け容れられていると考えることができます。カタンをプレイするとき、現実界に居る私たちは万人向けの街/港を利用しますが、もし私たちが自由を行使可能なカタン界の住人であるとすれば、もっと巧みな固有化による――他プレイヤーへの政治を行使したり、盗賊に備えたりするなどして――戦術によって勝利に近づこうとするはずです。

その意味で「騎士カタン」は形式化の究極と言えるでしょう。カタンは「海カタン」、「商人と蛮族」といったシリーズが発売されていますが、これらも形式化のバリエーションと言えるでしょう。プレイヤーによって形式化の好みが異なれば、こういった他の形式化を求めていくことになるのだと思います。


カタンの開拓者たち都市と騎士版 (Die Siedler von Catan: Städte und Ritter. Erweiterung) ボードゲーム

カタンの開拓者たち都市と騎士版 (Die Siedler von Catan: Städte und Ritter. Erweiterung) ボードゲーム

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ただ、こうした巧みな形式化は、先にも言ったように作り出すプロセスに一番のコストを必要とします。いま、会議方法と運営方法のガイドライン作成に手を付け始めているのですが、やはり4年後8年後のことを考えると投資に値するコストなんでしょうね。この固有化はLT大会にとってでしか意味のない形式化ですが、やはり形式化における固有化を経験しておくという点では将来的な意味や価値がありそうだと考えても良さそうですね。何もしないでも数ターンに1枚くらい発展カードが引けそうな人生でも、1ターンで発展カードが3枚引けるなら引けるようにしたくないですか?

最後になりましたが、静大情報LT大会では運営に継続的に協力してくださる方を随時募集しています! 連絡先は、Twitterでは @shizuniLT/@suneo3476Doc/@garicchi のいずれかか、Eメールでは shiztex[at]gmail.com まで、よろしくお願い致します。